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「変化の兆し(Signals of
Change)」シリーズは、変化の兆候を読みとり商機を生かす一助としてB-I-Pが企業向けに発行する出版物である。このレポートは2002年3月にロンドンで行われたスキャンミーティングについて報告し、そこで取り上げた変化のシグナルを分析する。
スキャンミーティングは基本的にはブレーンストーミング形式で行い、ニュースやビジネス動向のリストから手がかりを探し、参加者の知識を基に検討を加える。レポートではまず最初に、中国政府が改革を導入し門戸開放政策を打ち出して以来、同国がどのように世界の投資家の関心を集めてきたかを検討する。とは言え中国にモノやサービスを売り込むチャンスを認識することと、この新市場に進出する態勢を整えることとは大きく違う。
中国の産業立国化は、欧米企業に新たな商機を創出すると同時に、欧米諸国をターゲットにした中国育ちの新しい国際企業を生み出す可能性がある。
第二には、道具と玩具の概念が変化してきた話題を取り上げる。従来玩具は楽しみのためにつくられたもので、道具の方は実用に供するものと認識されていた。だが画期的なデザインの出現や機能の多様化によって製品カテゴリーの境界が曖昧になり、道具とも玩具とも言える製品が増えてきている。道具が遊びにも使え、玩具が実用品となる可能性はメーカーにとっては事業拡大の一つのチャンスではあるが、それまでのビジネスラインにとって新たな脅威となる危険性も孕む。
レポートの最後では、今日のダイナミックな事業環境で競争力を維持するためには企業は常に革新的であれという主張について論じる。今回の論議で目新しい点は、イノベーションが競争優位につながるのは、顧客に理解できるレベルでそれを提案したときだけだ、という着眼である。競争に一歩先んじるのは大切だが、あまり先手をとるべきではない。顧客企業が自社の革新と結びつけられなかったり、複雑すぎると感じたり、あるいは日常業務に採り入れるのは難しいと考えてしまう可能性がある。 (9ぺージ)(著者:Rob
Edmonds, Carl Telford, Erin Coberth,
Rosumnd
Gee)
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