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デジタル決済は電子決済のごく一部でしかないが、きわめて将来性豊かであり、新たなビジネスチャンスが期待できる。デジタル決済システムには、クレジットカードのように既に普及した決済手段をインターネット決済に活用するタイプもあれば、スマートカードなどまったく新しいデジタル決済手段をオンライン・オフラインを問わず駆使するタイプもある。 現在最も多く利用されている決済方式は、インターネットでのクレジットカード決済、オンラインの口座引き落とし、デジタルキャッシュの三種類だ。だが現在の発展段階ではデジタル決済は細分化しており、どのシステムが将来的に有望か、またどの事業者、どの業界が将来のデジタル取引を席巻するのかは予想がつかない。しかも消費者や小売店主を従来の決済方式からデジタル決済に鞍替えさせるには、利便性、安全性、低価格といったメリットを打ち出す必要がある。 インターネット経済は変化の速度が非常に速く、数十年も経った決済手段では対応できない。現時点では、例えば10ドル以下の小口デジタル決済の実用可能な方法はまだ試行錯誤である。モバイルコマースに不可欠な効率的で使い勝手のよいモバイル決済方式も同じような状況だ。デジタル決済の分野で進行する現在の多様な試みの成果が、将来のグローバルな事業環境を決めることになるだろう。
(15ページ)(著者:Thomas M. McKenna, Martin
Schwirn) |