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最大手の専門企業ですら市場の5%程度しか占有してい
ないeラーニング業界で、あまたある小規模な業者の中からどこを選んで任せたらよいか−これは、eラーニング戦略開発を担当する経営幹部やマネジャーが現在直面している難題の一つである。こうした小ベンダーの場合、エンド・ツー・エンドのソリューションすなわち学習や学習コンテンツの管理運営、コンテンツの制作、協働ツールの提供を組み合わせた総合的な提案ができる企業はほとんどない。このためeラーニング業界の合従連衡に伴い、市場では大手エンタープライズ・アプリケーション(EA)プロバイダーの存在感が強まっており、本レポートはこの傾向について論じる。
EAベンダーがeラーニング業界に参入してきた背景には、ばらばらなeラーニング構成要素の統合や、幅広いエンタープライズ・アプリケーションにeラーニングを組み込む問題を巡って顧客企業の不満が高まってきたという事情がある。EAベンダーには中小のeラーニング企業を凌ぐ能力と資金力があり、競争上はるかに優位である。だが、だからと言って、大手EAベンダーがeラーニング業界を短期間でたやすく席巻できるわけではない。基幹業務パッケージ(ERP)導入の悪戦苦闘とコストにさんざん苦しめられた多くの顧客企業は、EAベンダーの進出をさほど快く思わないかも知れない。
とは言えEAベンダーがeラーニング業界で重要な地位を占めるようになれば、顧客企業は多方面でかなりのメリットが期待できるだろう。例えばeラーニングを業務プロセス、ナレッジ・マネジメント、業界の情報収集を始めとする企業のさまざまな機能と連携させることなどが可能になるはずだ。
(18ページ)(著者:Eilif Trondsen, Kristian Folkman, Daid
Norheim)
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