消費者が製品やサービスを買うときは、単一のカテゴリーではなく、当面のニーズを満足させられる二つ以上のカテゴリーから選ぶことが多い。例えば映画を家で見るというニーズであれば、ビデオデッキとDVDプレーヤーがどちらも検討対象になる。しかもカテゴリー同士は互いに影響を及ぼし合い、それによって一方のカテゴリーから製品が選ばれる可能性が高まったり、逆に低くなったりする。
ところが大抵の企業はこのようなカテゴリー間相互の影響を体系的に調査する仕組みを持っておらず、偶然気づきでもしない限り、完全に見落としてしまう。だが厳しくなる一方の競争環境を背景に、カテゴリーの影響力を把握する必要性が高まってきた。自社製品のカテゴリーに及ぼすプラス/マイナスの影響評価を行うフレームワークをつくっておけば、顧客についての理解を深めることができ、また戦略プランニングの質的向上も期待できる。自社と競合する相手先をすべてピックアップする、競争環境を現実的な視点から総合的にとらえる、既存・新規の製品・サービスに予想外の有望な機会を発見する、といったことも可能になるはずだ。
(15ページ)(著者:Martin Schwirn)
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