パーベイシブコンピューティングの普及と共に、パーベイシブ環境を保護するためのセキュリティ技術のニーズも拡大してきた。デジタルファイルやデジタル通信の拡がりには、個人ID情報の盗難や偽造というマイナス面が伴っている。
さほどIT専門知識を持っていなくても、スニファーと呼ばれる機器を使用すれば、いとも簡単にワイヤレスシステムに侵入できる。犯罪の脅威が大きくのしかかる存在となれば、企業や消費者のワイヤレス技術に対する信頼が揺らぎ、パーベイシブ・コンピューティングというソリューションにもマイナスイメージがついて回ることになる。
本研究は、パーベイシブコンピューティングの脆弱性とその問題を解決しようというプロジェクトについて考察する。パーベイシブ・コンピューティングやセンサーネットワークのセキュリティの向上が可能となれば、軍隊の活動や企業のR&D施設などセキュリティ面の妥協が許されない分野においても、これらの技術の応用が増加すると思われる。パーベイシブ・コンピューティングにセキュリティ技術が伴えば、企業や官庁のパーベイシブ・コンピューティング環境に対する信頼が増し、その結果として投資の増加も期待できる。
(6ページ)(著者:Greg Powell)
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