何かモノやサービスを買おうと決心した途端、消費者は途方もない選択肢に直面することになる。市場には、小さなニッチ(それも細分化が進む一方である)を争う新技術や新製品、あるいはグローバリゼーションがもたらした新製品や新サービスがあふれているからだ。その結果、製品・サービスのカテゴリーは増える一方である。自社製品の市場を求める企業にとって、絶えず様変わりする膨大な製品・サービス群の存在は頭痛の種であり、購買行動の解釈や予測はますます難しくなってきた。
だが一つわかっていることがある。過去の購買行動は将来の行動を決定する、少なくとも多大な影響を与えるということだ。消費者情報を収集する新技術が次々に登場したおかげで、この方面の高度な分析が可能になってきた。心理的・文化的な要因やライフステージの変化、あるいは技術上の必要性などに応じて、消費者の購買意欲はあるカテゴリーから別のカテゴリーへと長い間に乗り移っていく。どんな要因の組み合わせが一連の購買決定にどんな影響を及ぼすかがわかれば、消費者セグメントの定義付けも自ずと明確になる。その結果、適切な時期に適切なセグメントをターゲットに絞り込めるはずだ。
(16ページ)(著者:Martin Schwirn)
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