企業の問題対処の仕方は、これまではリアクティブすなわち事後対応だった。しかし世論で批判されたり訴訟になったり、あるいは政府が規制に乗り出してから初めて対処する「待ちの姿勢」だと、ことが大きくなりがちだ。
現在の事業環境は規制緩和が進み、消費者の意識も高くなっている。またニュースは24時間流され、製品中の成分や環境に放出される物質を測定するセンサーも簡単に手に入るので、リアクティブな対応では間に合わなくなってきた。そこで注目されるようになったのが、プロアクティブすなわち先見的な事前対応である。プロアクティブ・マネジメントは、イーライ・リリー、マクドナルド、クラフト・フーズなどが採り入れており、製品・サービス・商習慣に対する一般の懸念に先んじて対処する新しいアプローチの手本となっている。プロアクティブ・マネジメントを実践する企業では、世間や消費者団体などの耳目を集めないうちに問題の発見と解決を試みる。
このレポートは事業環境が変化しプロアクティブ・マネジメントが必要になってきた経緯について解説し、今日の複雑な問題に対してはリアクティブな対応は不十分であることを指摘する。またプロアクティブな企業が一般の懸念に対処するために採用している戦術・戦略も紹介。さらに今後議論の的となりそうな技術や物質を列挙し、今から対策を練るよう奨める。
(9ページ)(著者:Greg Powell)
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