ブロードバンド技術が進歩して無線データ転送速度の向上や消費電力の抑制が可能になったほか、輻射妨害電波が広い周波数帯域に拡散して干渉する現象も避けられる
ようになった。これらをさらに改善できるのが、ウルトラワイドバンド(UWB )である。UWB はブロードバンドより一段と広い周波数帯域にパルス信号をばらまき、通信速度を劇的に向上させる。しかも携帯電話など既存の無線機器を妨害することもない。
UWB は革命的な技術だが、それだけに規制当局、通信企業、エンドユーザーに受け入れられるまでには多くの障害に直面するだろう。今のところUWB
に依存した事業戦略を立てているのは、エクストリームスペクトラム(XtremeSpectrum )を始めとする一部のベンチャー企業だけである。インテル、モトローラ、テキサス・インストルメンツといった大手は積極的に開発は続けるものの、UWB
をコア事業には据えていない。これらの会社が現時点で力を入れているのは、現行の802.11x 技術である。
SRIC- BI のマルチクライアントプログラムのデジタル・フューチャープログラムを利用して行なった本研究では、将来性は期待されるものの問題も多いとされるこの技術に関わるアプリケーション、業界の開発状況、事業展開における問題点を検証する。
(著者:Michael Gold )
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