無線ICタグ(RFID)技術が、サプライ・チェーンを通じて製品の追跡を行うなど、極めて限定的なアプリケーションに利益をもたらすことは実証されている。しかし、RFIDは同時に、組織団体や政府が地域コミュニティや社会全体のためにより一般的な利益を提供するアプリケーションの構築を可能にするイネブラーとしての、あるいは完全なインフラとしての役割を果たすことができる。
例えば、医薬品の製造元と安全性を認証する電子系統図(ペディグリー)システムの開発は特に製薬業界にとって有益だが、同時に社会全体のために医療の質と安全性を向上させるものでもある。電子ペディグリー・システムから得られるデータは、最終的には研究目的のために、あるいは患者の投薬計画をより効果的にするために役立つかもしれない。
他のRFIDソリューションは、政府の財政援助あるいは資金調達に適したもので、明らかに社会的利益を提供する。RFIDによって可能となる電子パスポートはそうしたアプリケーションの1例である。
本稿ではRFID技術が社会的ニーズや問題解決に役立つ可能性のあるアプリケーションについて、そのいくつかのカテゴリ−を検討する。
(15ページ)(著者:Martin Schwirn)
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