ユーザーインターフェースは長い間、構成部品としてはきわめて単純で、ある意味不便ですらあった。その理由は、設計者が製品とインターフェースの真の一体化についてほとんど考慮することなく設計の最終段階で装置やデバイスに取り付けたからである。
消費者の不満、インターフェースの反直観的な要素、製品を購入し使用する消費者にとって製品使用の習得が困難であることなど広範な問題はこのようなインターフェースから生じた。インタラクション(相互作用)とインタラクティビティ(双方向性)がIT市場に浸透しているキャッチフレーズとなったにもかかわらず、今日のシステムあるいはアプリケーションには真の意味での人とマシンの透過的なインタラクションを特徴として備えるものはほとんどない。
しかしユーザーがマシンと、マシンが人と相互に関わることができる方法は徐々に変化しており、いくつかの興味深いコンセプトが浮上している。それは人々に、電子機器との真にインタラクティブな、共生的ですらある将来の関係を期待させるものである。
使い勝手についての配慮は、インターフェースの設計を進化させ、そして実際のところインターフェースの形態全体を変化させ続けている様々な力を後押しし、インターフェースに対するより全体的アプローチという方向に導いている。
このような設計の最終的な形はまだはっきりしないが、研究者と製品設計者はすでにこの方向に向かって踏み出している。本稿では様々なタイプのヒューマン・マシン・インターフェース設計を概観し、ドメインを特徴づける絶え間ない進化との関連からその設計について論じる。
(14ページ)(著者: Martin Schwirn)
|